動くLINEスタンプの作り方|イラストが描けない初心者が、AIを使って24種類つくった全工程

動くLINEスタンプの作り方|イラストが描けない初心者が、AIを使って24種類つくった全工程

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私はデザインはできますが、イラストは描けません。ロゴやバナー、Webサイトの設計はできても、キャラクターを描いてと言われると手が止まります。

その私が、愛犬の写真1枚から動くLINEスタンプ24種類を作りました。イラストは1枚も描いていません。制作にかかった時間は半日、そこから審査が通るまでが約1週間です。

しかも今回は、AIに実際にブラウザを操作させて動画生成ツールを動かしています。プロンプトの入力も、生成ボタンのクリックも、できあがった動画の検査も、AIがやりました。私がやったのは、工程を設計することと、判断が必要なところで「これはOK」「これは撮り直し」と決めることだけです。

この記事では、その工程をそのまま公開します。使ったツール、プロンプトの書き方、AIにどこまで任せられて、どこからは人間がやるしかなかったのか、そしてLINEの審査で24枚まるごと弾かれた失敗まで含めて書きます。

静止画のスタンプなら正直そこまで難しくありません。難しいのは「動くスタンプ(アニメーションスタンプ)」のほうで、画像生成・動画生成・ファイル変換と、複数の工程がつながります。しかも最後のAPNG変換にLINE特有の要件が詰まっていて、知らずに作るとアップロードした瞬間に赤いエラーが並びます。

そこを最短で抜けるための記事です。

これから「動くラインスタンプ」を作ってみたいと思う方の参考にしてみてください。またこの記事の内容はパソコン(Macを利用)して作成しており、Windowsを利用されている方においては同じように試してみてください。

※経験上スマホだけで作ることはかなり厳しいと思います。

目次 表示

  1. 実際に完成したもの
  2. 全体像:3つの工程と、かかったもの
  3. AIに画面を操作させる、という作り方
  4. 準備:フォルダ構造を先に作る
  5. STEP 1:ベースになる絵をつくる(ここで9割決まる)
  6. STEP 2:24体に切り出す
  7. STEP 3:24本分の動画プロンプトを書く
  8. STEP 4:1本ずつ動画にする
  9. STEP 5:APNG変換 — ここが本丸です
  10. STEP 6:LINE Creators Marketで申請
  11. AIで「できること」と「まだ人がやること」
  12. Instagramリール・ストーリーズ用の動画作成方法
  13. まとめ:この工程は「資産」になる
  14. よくある質問
この記事を書いた人

実際に完成したもの

ポメチワの動くLINEスタンプ

白いポメチワの「もこ」。あいさつ、おじぎ、泣く、怒る、寝る……日常のトークで使う場面から逆算して24種類。すべて4秒のアニメーションです。

もとになったのは、部屋で撮った何気ない写真1枚。この写真の特徴(真っ白でふわふわの毛、大きな立ち耳、内側の薄ピンク、黒く丸い目)をキャラクターに引き継いでいます。

ポメチワのもこ
スタンプの元となった愛犬の写真

全体像:3つの工程と、かかったもの

工程内容使ったもの誰がやったか
1キャラクターシートを1枚生成ChatGPT(画像生成)私(プロンプトはAIが作成)
224体に切り出しPythonAI(スクリプト作成・実行・検証)
3動画プロンプトを24本分書くテキストAI
41本ずつ動画化・検査Seedance 2.5(OpenArt)AIがブラウザを操作
5APNGに変換PythonAI(スクリプト作成・実行・検証)
6LINE Creators Marketで申請ブラウザ私(AIは操作不可)

動くスタンプを作るのにかかった時間

  • 制作(工程1〜5):半日
  • 申請から審査通過まで:約1週間

スタンプを制作するのにかかったお金

  • ChatGPT:画像生成に使うので有料プラン(Plus)
  • Claude:AIツール(Max20)
  • OpenArt Plus:月34ドル(12,000クレジット)。動画1本240クレジットなので、24本+撮り直しで約6,000クレジット消費しました。1シリーズなら1か月分で足ります
  • LINE Creators Market:登録・申請は無料

AIに画面を操作させる、という作り方

今回いちばん変わっていたのは工程4です。Claude in Chrome(Claudeがブラウザを直接操作できる拡張機能)を使って、OpenArtの画面をAI自身に触らせました。

静止画から動画を作るAIツール(OpenArt Plus)へ具体的にやらせたのはこれだけのことです。

  1. プロンプト入力欄をクリックして、24本分のプロンプトを1本ずつ貼り付ける
  2. 「生成」ボタンをクリックする
  3. 生成完了を待つ(1本150〜350秒)
  4. できあがった動画を開き、再生位置を2.0秒と3.95秒に飛ばして静止画として確認する
  5. 崩れがないか判定し、結果を報告する
  6. 次の1本へ

3〜4が地味に効きました。人間がやると「生成が終わったか見に行く」「動画を再生して目で追う」という待ちと集中が24回発生します。AIは待ち時間を機械的に処理して、しかも毎回きっちり同じ2点で止めて比較してくれます。検査の質がブレません。

AIの提案で工程が改善された例

3本目のガッツポーズで「元絵は右目ウインクなのに、2秒時点で両目が開いている」という報告が上がってきました。そこで以降の全プロンプトに表情維持の一文を追加する、という判断をその場で入れられました。

24本まとめて投げていたら、この気づきは全部終わってから来ます。1本ずつ検査させたからこそ、3本目の失敗が4本目以降に反映されました。

人間がやるしかなかったこと

正直に書きます。全部は任せられませんでした。

開始フレームの画像差し替え

OpenArtの画像アップロード欄は、AIから直接ファイルを流し込むのが難しく、ここは私がFinderからドラッグする担当でした。技術的には流し込む方法もあり実際に成功しましたが、1枚あたりのデータ量が大きく接続が不安定になったため、手で入れるほうが結果的に速いという結論になりました。(静止画から動画にした画像を選択するだけの作業です。)

LINE Creators Marketでの申請

このサイトはAIのブラウザ操作の対象外に設定されていて、そもそもアクセスできませんでした。フォーム入力も、96個のタグ設定も、最後の「リクエスト」ボタンも、すべて手作業です。

もっとも、申請ボタンのような取り消せない操作は、AIに押させないほうがいいとも思います。入力内容の用意までをAIにやらせて、最後の確定は人間が押す。この分担が現実的です。

「これでいいか」の判断

3本目のウインクが緩んだとき、「撮り直すか、このまま採用するか」を決めたのは私です。スタンプはトークで1回再生して止まるので、表情がわずかに緩む程度なら実用上は問題ない、という判断をしました。クレジットを1本240消費するかどうかの判断でもあります。

ここはコストと品質のトレードオフなので、AIに丸投げするところではありません。

スクリプトも全部AIが書いた

切り出しスクリプトも、APNG変換スクリプトも、私は1行も書いていません。「グリッドを信じず連結成分で検出して」「全フレーム全面格納で書いて」といった方針だけを言葉で伝えて、実装させています。

しかも、書いたスクリプトの出力をAI自身が検証しています。APNG24枚について「サイズ」「フレーム数」「再生時間」「容量」「透過」「色形式」の6項目を自動チェックさせ、全部OKであることを確認してから申請に進みました。人間の目視だけだと、24枚×6項目=144箇所の見落としが必ず出ます。

準備:フォルダ構造を先に作る

工程を進めるほどAIで作られたファイルが増えるので、最初に箱(フォルダ)を作っておきます。フォルダの状態を見れば、どこまで進んだかが分かる構造にしておくのがコツです。

動くLINEスタンプの作り方

STEP 1:ベースになる絵をつくる(ここで9割決まる)

まず、使う写真を選ぶ

写真は1枚で足ります。ただし選び方にコツがあります。

良い写真避けたい写真
正面か、やや斜め前から真横、真上から
顔にピントが合っている顔がブレている
耳・目・鼻・口がはっきり写っている顔が影に入っている
カメラ目線横を向いている
全身か、上半身が入っている顔アップだけ

私が使ったのは、部屋で撮った以下の何気ない1枚です。正面・全身・カメラ目線で、耳の内側のピンクまで写っていました。プロが撮った写真である必要はまったくありません。

ポメチワのもこ

あと1枚あると良いのが、横向きか後ろ姿です。尻尾の形や毛量が分かるので、キャラの背面の情報が増えます。もしも前向き以外に後ろ向きの動くLINEスタンプが必要であれば全体方向から撮影された写真を用意すると間違いないです。

写真を渡すだけでは足りない

ここが最初のつまずきポイントです。

写真を添付して「この犬をキャラクターにして」とAI(ChatGPT)頼むと、それなりのものは出てきます。でもAIが解釈で埋めた部分が必ず残ります。耳の大きさ、目の位置、体型のバランス。24種類つくったときに「なんか違う」となるのは、だいたいこの解釈部分です。

なので、写真から読み取れる特徴を、AIに送って読み取らせてAIの言葉で書き出します。

もこの場合はこうでした。Claudeで写真を添付して以下のサンプルプロンプトを貼り付けて実行します。

サンプルプロンプト
添付した写真の犬をモデルに、LINEスタンプ用のデフォルメキャラクターシートを1枚生成してください。

【キャラクター設定】
- 犬種:[柴犬 / トイプードル など]
- 毛色・模様:[例:茶色の背中、白い腹・口周り・眉の位置に白い斑点]
- 耳:[例:立ち耳・先が少し丸い]
- 尻尾:[例:背中側にくるっと巻く]
- 特徴的なアイテム:[例:赤い首輪、鈴つき]
- 頭身:2.5頭身。頭は体より大きく、目は黒く丸く大きめ
- 胴の長さは頭を横に[1.5]個並べた長さ、脚は頭の高さの[0.7]倍
- 画風:太めの均一な輪郭線、フラットな塗り、影は最小限。全24コマで色・線の太さ・顔のパーツ配置を完全に統一する

【シート仕様】
- 画像サイズ:1024×1536(縦)、6行×4列のグリッドで合計24コマ
- 背景:純白(#FFFFFF)、グリッド線や番号は描かない
- 各コマ内でキャラの大きさはセル幅の3分の1。キャラ同士の間隔は本体の2倍以上空け、行間にも余白を取る
- 全コマでキャラの大きさを同一にする。文字・吹き出し・小道具は描かない

【24ポーズ】(左上から右へ順に)
1 手を振ってあいさつ 2 おじぎ 3 OKサイン(前足で丸) 4 ありがとう(両前足を合わせる)
5 おつかれさま(横になって脱力) 6 大笑い 7 泣く 8 怒ってプンプン
9 びっくり 10 考え中(首をかしげる) 11 寝る(Zzz) 12 ごはん待ち(お座りで舌を出す)
13 走る 14 ジャンプで喜ぶ 15 拍手 16 照れる
17 落ち込む 18 ウインク 19 ハート(前足でハート型) 20 頷く(了解)
21 バイバイ 22 応援(前足を突き上げる) 23 お願い(両前足を合わせて上目遣い) 24 ハイタッチ

するとAI側で以下のような情報を写真から読み取って

  • 全身ほぼ純白〜クリームのふわふわ毛、胸元とお尻の毛が特に長い
  • 頭に対して大きな立ち耳、耳の内側は薄ピンク、縁に長い飾り毛
  • 黒くて丸い大きな目、黒い小さな鼻、口は小さく「ω」型
  • 頭が体に対して大きく、脚は短くて細い、子犬体型

以下の出力プロンプトを出してくれます。

出力プロンプト
添付した写真の犬をモデルに、LINEスタンプ用のデフォルメキャラクターシートを1枚生成してください。

【キャラクター設定】
- 犬種:ロングコートチワワの子犬
- 毛色:全身ほぼ純白(#FDFCF8)、耳の縁と胸元・お尻に長いふわふわの飾り毛
- 耳:頭幅の半分ほどある大きな立ち耳。内側は薄ピンク(#F4C2C2)
- 目:黒くて丸い大きな目(#1A1A1A)、白いハイライトを1点入れる。目の間隔は目の幅1.5個分
- 鼻:小さく黒い丸鼻。口は小さく「ω」型
- 尻尾:ふさふさで背中側に軽く反る
- 頭身:2.5頭身。頭の幅は胴の幅の1.3倍
- 胴の長さは頭を縦に1個並べた長さ、脚は頭の高さの0.5倍で細い
- 画風:やや太めの均一な輪郭線(#4A4A4A)、フラット塗り、影は頬の薄ピンクのみ。全24コマで色・線の太さ・顔のパーツ配置を完全に統一する

【シート仕様】
- 画像サイズ:1024×1536(縦)、6行×4列のグリッドで合計24コマ
- 背景:透過(background="transparent")。不可なら単色ライトグリーン(#B8E986)。グリッド線や番号は描かない
- 各コマ内でキャラの大きさはセル幅の3分の1。キャラ同士の間隔は本体の2倍以上空け、行間にも余白を取る
- 全コマでキャラの大きさを同一にする。文字・吹き出し・小道具は描かない

【24ポーズ】(左上から右へ順に)
1 前足を振ってあいさつ 2 おじぎ 3 OKサイン 4 ありがとう(両前足を合わせる)
5 おつかれさま(横になって脱力) 6 大笑い 7 泣く 8 怒ってプンプン
9 びっくり(耳がピン) 10 首をかしげる 11 寝る(Zzz) 12 ごはん待ち(お座りで舌を出す)
13 走る 14 ジャンプで喜ぶ 15 拍手 16 照れる
17 落ち込む(耳が下がる) 18 ウインク 19 ハート(前足でハート型) 20 頷く(了解)
21 バイバイ 22 応援(前足を突き上げる) 23 お願い(上目遣い) 24 ハイタッチ

この作業は、写真をよく見るという工程でもあります。毎日見ている子なのに、いざ言葉にしようとすると「耳って頭のどのくらいの大きさだっけ」となる。ここを一度やっておくと、以降のプロンプトすべてで使い回せます。

この作業で愛犬の写真からLINEアイコン用のイラストを作ることができる下準備が整いました。

出力されたプロンプトと愛犬の写真をChatGPTに貼り付けます。ChatGPTを利用するのは背景が透過した画像を綺麗に出力できるからです。

ChatGPTで作成するLINEスタンプ

1回目の出力では愛犬の耳が少し大きく出力されたので、そのままAI側で修正を加えて出力させました。

ChatGPTで作成するLINEスタンプ

右と左の画像を見て耳の大きさなどが違うのがわかると思います。

ChatGPTで作成するLINEスタンプのベース24種類
耳が大きいバージョン
ChatGPTで作成するLINEスタンプのベース24種類
耳が小さいバージョン

24枚をバラバラに作ってはいけない

動くLINEスタンプをAIで作らせる時に一番やってはいけないこと、それは1枚ずつ作成してはNGということです。

これが最終的に統一感のあるイラストで作成できるかどうかの一番の分かれ道です。

1枚ずつ生成すると、キャラの顔や色が毎回微妙に変わります。単体で見れば気づきませんが、24個並べたときに「同じ子に見えない」という致命傷になります。

1枚の画像の中でならAIは一貫性を保つので、24ポーズを敷き詰めた1枚(キャラクターシート)を一度に生成します。

グリッドは1セルがほぼ正方形になる組み合わせを選びます。

  • 縦長のポーズが中心(座り、立ち)→ 6行×4列 / 1024×1536(縦長)
  • 横長の被写体(伏せ、走り)→ 4行×6列 / 1536×1024(横長)

セルが潰れると、その中のキャラも同じ形に潰れます。

背景色は、被写体の色で決める

見落としやすいところです。

白い動物に白背景を使うと、次の工程で詰みます。 キャラクターを切り出すとき、本体と背景を色で区別できなくなるからです。

  • 第一候補:透過background="transparent" と指定)
  • 透過が使えないとき:被写体と明確に違う単色。白い子ならライトグリーンなど

24種類が1枚になったものをダウンロード(ファイル名;sheet.png)して、今度はClaudeへ戻りそれぞれを1枚ずつに切り出します。

STEP 2:24体に切り出す

シートができたら、1体ずつのPNGに切り出します。

「等間隔に24分割すればいい」は失敗します

6行×4列だから均等に割ればいい、と思いますよね。私もそう思ってやったらズレました。

画像生成AIは、指定どおりのグリッドで描いているようで実際の間隔は微妙に違います。 実測したところ、想定256pxに対して240pxでした。ズレは行ごとに累積するので、下の行ほどキャラの頭が切れます。

正解は「グリッドを信じず、キャラクター本体を検出して切る」です。この方針ごとClaude Codeに投げると、スクリプトを書いてくれて実行できます。

プロンプト
sheet.png は24体のキャラクターシート(6行×4列)です。
1体ずつPNGに切り出すPythonスクリプトを書いてください。

条件:
- グリッドの等間隔分割はしない。背景を除いた連結成分でキャラクターを検出する
- 背景は四隅からのflood fillで判定する(輪郭線の内側の白い毛を背景と誤判定しない)
- 面積上位24個を「本体」とし、キラキラ・涙・ハート・怒りマークなどの小パーツは
  最も近い本体に紐づけて同じ枠に含める
- 足元の楕円の影は除外する
- 24体の中で最大の長辺を基準にした共通サイズの正方形枠で全員を切り出し、
  各キャラは枠の中央に配置する
- 出力は refs/01.png 〜 refs/24.png(左上から右へ番号順)
- 結果を番号付きで一覧確認できる check.png も生成する
Claude Codeで作成するLINEスタンプのベース24種類

check.pngは必ず全ておかしいものがないか1枚ずつ全て目視してください。 ここを飛ばすと、動画24本を作り直すことになります。見るのは、切れているコマがないか、脚の本数、付属パーツの取りこぼしです。

私はここで、輪郭線の外側にうっすら残っていたグレーの陰影を見落として、2回作り直しました。

動画ツール投入用に別バージョンも作る

動画生成ツール(OpenArt)には最小解像度の制限があります(OpenArtは300px)。切り出し枠が278pxだと「Image too small」で弾かれました。

また、動画は透過を扱えません。投入用は512pxに拡大し、白背景を敷いた別フォルダ(refs_video)を用意します。透過版のrefsは申請用の原本なので消さないでください。

STEP 3:24本分の動画プロンプトを書く

ここで静止画を動画にしてくれる動画生成AIツール(OpenArt)を利用します。ほとんどの方はアカウントがないと思いますが、Googleのアカウントがあればすぐにアカウントを作成してログインして利用することができます。

動画生成AIツール(OpenArt)

無料のアカウントの状態では作った画像を動画にすることができませんので月額プランに加入します。(課金が必要になります)

おすすめはPlus(12,000クレジット/月)、ただし月払いに切り替えて

動くLINEスタンプを作るために必要となるクレジットの計算はこうです。

  • 記事の実績:Seedance 2.5(480p・3秒)=1本300クレジット
  • 24本=7,200クレジット、やり直し込みで目安9,000〜10,000
  • Starter(4,000)では足りず、しかもStarterには「Add credits as needed」(追加購入)がないので、途中で止まります
  • Plus(12,000)なら1シリーズ+やり直し分がぎりぎり収まり、足りなくなっても追加購入できます
動画生成AIツール(OpenArt)料金プラン

課金が終了したら、24体それぞれに「どう動くか」を書きます。

書き方は4部構成で固定すると崩れません。

4部構成のテンプレート

以下のプロンプトを動くLINEスタンプを作成しているAIツールに貼り付けて利用してください。

テンプレート
概要:右前足を上げたまま、左右に小さく振る。動きはこの1つだけ。

スタイル維持:開始フレームのキャラクターデザインを全編で厳密に維持する:
真っ白でふわふわの毛並みのチワワの子犬、頭幅の半分ほどある大きな立ち耳
(内側は薄ピンク、縁に長い飾り毛)、黒く丸い大きな目に白いハイライト、
小さな黒い丸鼻、「ω」型の小さな口、頬の薄ピンク、ふさふさの尻尾、
2.5頭身で脚は短く細い、やや太めの均一なダークグレーの輪郭線、フラットな塗り。
色・線の太さ・プロポーション・目鼻口の位置を一切変えない。
開始フレームの表情の特徴(目の開閉、口の形、前足の上げ下げ)は
動きの最中も終了時も変えず、そのまま維持する。

タイムライン:0〜0.5秒:開始ポーズのまま尻尾が小さく揺れる。
0.5〜3.0秒:右前足を左右に3回大きく振り、口を開けた笑顔のまま尻尾を振る。
3.0〜4.0秒:開始と同じポーズにゆっくり戻る。
最終フレームは0秒目と完全に同じポーズにして、
ループ再生しても継ぎ目が分からないようにする。

禁止:音、文字、吹き出しの追加、背景の変化(背景は白無地のまま)、
小道具の追加、3DCG化、カメラの移動・ズーム・パン、キャラクターの新規パーツの出現。
キャラクターの画面内での大きさは最初から最後まで完全に一定に保ち、
絶対に拡大・縮小しない。キャラクターの位置も画面中央から動かさない。
キャラクター全体(耳の先・尻尾・足先まで)が画面の上下左右に余白を残して収まるようにし、
画面端に触れさせない。

禁止事項の2文は、保険ではなく必須です

「大きさを一定に保ち、絶対に拡大・縮小しない」

入れないと、動画AIは気を利かせてじわじわズームしてきます。スタンプでズームされると、APNG化したときに枠からはみ出します。

「画面の上下左右に余白を残して収まるようにし、画面端に触れさせない」

これを入れる前の1本目は、キャラが大きめに寄って耳の先が上端ぎりぎりでした。

「表情維持」の一文は、失敗してから足しました

3本目のガッツポーズで、元絵は右目ウインクなのに、2秒時点で両目が開いてしまいました。終了時も前足を下ろした普通の座り姿勢になり、開始ポーズに戻っていません。

そこでスタイル維持の節に「開始フレームの表情の特徴(目の開閉、口の形、前足の上げ下げ)は動きの最中も終了時も変えず維持する」を追加。以降のコマでは再発しませんでした。

似た構図のコマ(「ありがとう」「拍手」「お願い」など前足を合わせる系)は、絵ではなく動きで差別化します。シートを再生成するとキャラの一貫性が崩れるリスクがあるので、こちらのほうが安全です。

STEP 4:1本ずつ動画にする

Seedance 2.5を「開始/終了フレーム」モードで使います。設定は480p、4秒、音声オフ。

24本を一気に投入しないでください。

まとめて出すと、原因の切り分けが全部「生成後」になります。崩壊が出たときにどのプロンプトが悪いのか分からず、やり直しでクレジットが溶けます。

  • 1本生成 → 検査 → 合格したら次の1本
    崩壊が出たら、そこで止めてプロンプトを見直す

検査は「2フレーム目以降」を見る

これを知らないとハマります。

生成された動画の1フレーム目は、参照画像がそのまま使われるので必ず一致します。 つまり「1枚目を見て参照どおりだからOK」は、検査になっていません。動画AIは1フレーム目だけ参照画像を貼って、2フレーム目から別の形に描き直すことがあります。

私は中間(2秒地点)と終了直前(3.95秒地点)の2点を止めて確認しました。見るポイントは、

  • 脚の本数、耳の形、目・口の表情が開始と同じか
  • キャラの大きさが変わっていないか、画面端に触れていないか
  • 背景が無地のままか(グラデーションや影が乗るとSTEP 5で抜きにくくなる)

判定は3段階で運用すると迷いません。合格/要確認(採用はするが記録)/再生成。スタンプはトークで1回再生して止まるので、「表情がわずかに緩む」程度は要確認どまりで採用してよいと思います。ポーズそのものが崩れたときだけ再生成します。

生成時間は1本150〜350秒。混雑すると倍近くかかります。待ち時間に次のコマの画像をセットしておくとテンポが落ちません。

検査をAIにやらせると精度が安定する

この「2点で止めて比較する」という作業は、AIに向いています。私は次のような指示で回しました。以下のプロンプトを動くLINEスタンプを作成しているAIツールに貼り付けて利用してください。

プロンプト
生成が終わったら、動画の再生位置を2.0秒と3.95秒に飛ばして静止画で確認し、
開始フレームと比べて次を報告してください。
・脚の本数、耳の形、目と口の表情が開始と同じか
・キャラの大きさが変わっていないか、画面端に触れていないか
・背景が白無地のままか
合格/要確認/再生成 の3段階で判定してください。

24本を人間が同じ集中力で見続けるのは無理があります。判定基準を言葉で固定してAIに渡すと、24本目まで同じ厳しさで見てくれるのが一番の利点でした。

STEP 5:APNG変換 — ここが本丸です

動くLINEスタンプの実体は、動画ファイルではなくAPNGというアニメーションPNGです。mp4のままでは申請できません。

そしてこの変換に、LINEの要件が全部詰まっています。私はここで24枚まるごと2回弾かれました。

LINEアニメーションスタンプの要件

項目要件
形式APNG(PNG)
サイズ横320px × 縦270px 以内、かつどちらかが270px以上
フレーム数5〜20枚
再生時間1秒/2秒/3秒/4秒のちょうど
ループ1〜4回(再生時間の合計が4秒を超えない範囲)
容量300KB以下
背景透過
その他1つのAPNG内の全フレームは同一サイズ

メイン画像は240×240のAPNG、トークルームタブ画像は96×74の静止PNG(アニメーション不可)です。

失敗1:無限ループにしていた

最初、APNGの標準的な書き方だからと**無限ループ(num_plays=0)**で書き出しました。全滅です。

ガイドラインは「1〜4回ループ可能」。0回=無限は仕様外でした。1に直しました。

失敗2:余白をつけていた

これが最大の原因でした。

270×270の正方形キャンバスの中央にキャラを置き、周りは透明の余白、という作りにしていました。見た目は綺麗ですが、ガイドラインにはこう書かれています。

アニメーションのない部分を削除します ※余白はつけないでください

全フレーム共通のバウンディングボックスで余白を切り詰める必要があります。修正後の各スタンプは 196×270 〜 320×269 と、1枚ずつサイズが違います。これで正解です。

失敗3ではないが、詰まったところ:容量300KB

余白を削るとキャラが大きくなり、ピクセル数あたりの情報量が増えて容量が跳ね上がります。フレーム数と色数のトレードオフになります。

いろいろ試した結果がこちらです。

フレーム数色数容量
20枚12色270KB
16枚16色261KB
14枚24色274KB
12枚32色264KB
10枚64色287KB

12色まで落とすと、口の中の赤みや頬のピンクが濁ります。24色あればほぼ元の色が保たれました。動きの滑らかさと色のバランスを見て、14フレーム/24色を採用しています。

なお「余白を削れば軽くなるのでは」と思って試しましたが、逆に増えました。透明な余白は圧縮が非常に効くためです。それでも仕様なので、余白は削ります。

白背景の抜き方

動画は白背景で作っているので、変換時に抜いて透過に戻します。単純に「白いピクセルを透明にする」と、白い犬の体まで消えます。

正解は「四隅から到達できる白の領域だけを透明にする」方法です。閉じた輪郭線の内側は塗り残されるので、白い犬でも安全に抜けます。

STEP 6:LINE Creators Marketで申請

LINE Creators Marketでアカウント作成

LINEアカウントがあれば、5分ほどで登録できます。売上の振込先は後からでも登録可能です。

入力で迷いやすいところ

日本語欄は全角1文字=2文字カウント

タイトルは40カウント=実質全角20文字、説明文は160カウント=実質全角80文字。超えてから削ることになるので、最初から半分で書き始めてください。

「ライセンス証明のファイル添付」はスタンプ画像を上げる場所ではありません

ここに画像をアップしようとする人が多いはずですが、著作権の証明が必要な場合の欄です。オリジナル作品なら空のままでOKです。

AI使用の申告は「AIを使用しています」を選ぶ

隠す理由はありません。申告しておくほうが規約面で守られます。

画像アップロードは、情報を保存したあと

「スタンプ画像」タブ→編集→先に個数を「24」に変更→ZIPを一括アップロード。個数変更を先にやらないと枠が足りず弾かれます。

LINE Creators Marketでアニメーションスタンプの登録

タグ設定はやっておくと良い

承認後に自動で設定されますが、自動設定されたタグは確認も編集もできません。1個につき4語ほど、「おはよう」「ありがとう」のようにトークで打たれそうな言葉を入れておくと、変換候補に出やすくなります。24個×4語で96語、慣れれば10分ほどです。

LINE Creators Marketでアニメーションスタンプの登録(タグの登録)

審査は約1週間

申請すると「審査待ち」になります。私の場合は約1週間で通りました。早い人は1日というケースもあるようなので、内容や時期によると思います。

販売開始設定を「手動」にしておくと、承認後に自分のタイミングで公開できます。SNSでの告知と合わせたい場合はこちらがおすすめです。


AIで「できること」と「まだ人がやること」

今回の作業を通して見えた線引きを書いておきます。

AIに任せて問題なかったこと

  • 方針を言葉で伝えてスクリプトを実装させる(切り出し、APNG変換)
  • その出力を自分で検証させる(24枚×6項目の仕様チェック)
  • 24本分のプロンプトを、決めたフォーマットで量産する
  • ブラウザを操作して、生成・待機・検査・報告のループを回す
  • 失敗の原因を仕様書と突き合わせて特定する(審査で弾かれた原因の切り分け)

人がやるしかなかったこと

  • ファイルのアップロード(ツール側の制約)
  • 取り消せない操作(申請ボタン)
  • コストと品質のトレードオフの判断
  • 「かわいいかどうか」の最終判断

最後のひとつが、たぶん一番大事です。24種類のポーズを何にするか、どの表情を採用するか、色数をどこまで落とすか。そこは自分の目で決めました。

イラストが描けなくても作れるというのは、今回いちばん伝えたいことです。私がやったのは、工程を設計して、判断が必要なところで判断しただけ。描く技術の代わりに、何をどの順番でやるかを決める力があれば、こういうものは作れます。

デザインができる人なら、レイアウト感覚やキャラクターの一貫性を見る目はすでに持っているはずです。それは今回の工程全部で効きました。

Instagramリール・ストーリーズ用の動画作成方法

以下のようなInstagramなどで使える素材もAIで作れます。

最終的に出力した24枚の動く画像データとともに以下のプロンプトで指示してあげると上と同じようなものが出来上がります。

プロンプト
Instagramのリールやストーリーズなどで紹介できるように1枚の9:16の画像に全ての動くアイコンを適切に整列して美しく配置して、

◯◯◯◯が、動くLINEスタンプになりました(大見出しタイトル)
24種類、ぜんぶ動きます(サブタイトル・サブキャッチコピー)
として一つの画面にしてmp4で書き出して作成してください。

まとめ:この工程は「資産」になる

長くなりましたが、やることを整理するとこれだけです。

  1. キャラクターシートを1枚生成(一貫性はシートで担保する)
  2. 本体を検出して24体に切り出す(グリッドを信じない)
  3. 4部構成でプロンプトを書く(大きさ固定・余白・表情維持の3文は必須)
  4. 1本ずつ生成して検査(2フレーム目以降を見る)
  5. APNG変換(余白なし・1〜4回ループ・5〜20フレーム・4秒ちょうど・300KB以下・透過)
  6. 申請(個数を24に変更してからZIP)

そして重要なのは、スクリプトとフォルダ構造は全シリーズで共通だということです。

1回この「工場」を組んでしまえば、2シリーズ目からは「シート生成 → プロンプト書き → 生成 → 変換」の流れ作業になります。うちは次に三毛猫を作る予定です。

1商品で当てるのではなく、棚に並べる商品数で勝負できるのが、この作り方の一番の強みだと思っています。

最初の1シリーズは、ぜひあなたの家のペットか、好きな動物でやってみてください。写真が1枚あれば始められます。

もしも使い方がわからない場合はLINEのオープンチャットで無料で質問を受け付けていますのでご活用ください!

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よくある質問

絵が描けなくても本当に作れますか?
作れます。私はイラストを1枚も描いていません。やったのは、工程を設計して、チェックポイントで目視確認しただけです。
静止画のスタンプとどちらが簡単ですか?
静止画のほうが圧倒的に簡単です。STEP 4と5(動画生成とAPNG変換)が不要になり、切り出したPNGをそのまま申請できます。初めてなら静止画で一度流れを掴んでから動くスタンプに進むのも手です。
費用はいくらかかりますか?
利用するAIの費用と動画生成の課金が主です。私はOpenArt Plus(月34ドル)で、24本+撮り直し分をまかないました。1シリーズなら1か月分で足ります。LINE側の登録・申請は無料です。
LINEスタンプの審査でリジェクトされたらどうなりますか?
理由がメッセージセンターに届くので、修正して再申請できます。回数制限もありません(1日30回まで)。
AIにブラウザを操作させるには何が必要ですか?
Claude in Chrome(Chrome拡張)を使いました。AIが画面を見て、クリックや入力ができるようになります。ただしサイトによっては安全上の理由でアクセスできないものがあり、LINE Creators Marketは対象外でした。すべてを自動化できるわけではないという前提で、任せる工程を選ぶのが現実的です。
プログラミングができないと無理ですか?
私は今回、Pythonのコードを1行も書いていません。「グリッドを信じず、キャラクター本体を検出して切り出して」のようにやりたいことを言葉で伝えれば、AIが実装します。 必要なのはコードを書く力ではなく、何をやりたいかを具体的に言語化する力のほうです。
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