最新ガジェット好きのみなさんこんにちは。NORI(@norilog4)です。
最近スマートフォンや、イヤホン、ガジェットなどでよく耳にする「IP○○」ってなんのことを指しているのかご存知ですか?
割とこのことについて聞かれることが多いので、今回はこの防水・防塵性能「IP○○」について詳しくわかりやすく解説していきたいと思います。
実際どのIPの数字の意味がわからず、どのレベルのものでどこまで対応しているのかわからない方が多いと思います。
NORI
Apple製品の他、カメラやドローンが好きです。趣味で2021年から登山やキャンプもはじめました。国交省全国包括許可承認取得済 三陸特/アマ無線4級/DJI CAMPスペシャリストを取得。運営者の詳しい情報はこちら
IP○○とは防塵・防水の保護性能を表す規格
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IP規格は、IEC(国際電気標準会議)が定めた規格で、電気製品の防塵・防水性能を表しています。IPは、Ingress Protection(イングレスプロテクション)の略です。
わかりやすい例を挙げると、Appleでは以下のように各iPhoneについて防沫・耐水・防塵性能を公表しています。
表記されているIP68/IP67と呼ばれる等級は、IP(International Protection)規格が定める電子機器の防塵・防水機能を表す国際規格の保護等級で防塵は0~6等級、防水は0~8等級まであります。
それぞれの記号の並びが何を表しているのかというと、以下の画像の通りです。
外で使うような電子機器製品が、雨に濡れて壊れてしまっては意味がありません。その場合はこのIPの防水等級を確認するとどれくらいの防水性能がその機器に備わっているのか判断できます。
全ての機器に対して前後の数字がついているわけではありません。たまに「IP6X」や「IPX8」という表記がある場合もあります。このXの表記は省略される等級がある場合に出てきます。
防塵だけを示す場合
例を挙げると、防塵だけを表す場合には以下の図のように防塵等級の部分のみが数字表記(0〜6)となり、後ろの防水等級はXとして表示されます。
人によって呼び方は様々ですが、上記の場合には「アイピー ロク エックス」と読みます。
防水だけを示す場合
また、防水だけを表す場合には以下の図のように防水等級の部分のみが数字表記(0〜8)となり、前の防塵等級はXとして表示されます。
上記の場合には「アイピー エックス ハチ」と読みます。
人によって数字部分を英語で呼ぶ方もいます。
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では次に、防塵は0~6等級、防水は0~8等級に分けられた保護内容について詳しく解説していきます。
防塵性能は0~6の7等級まで
防塵性能とは、製品外部からの固形物の侵入に対する保護等級のことを指します。そして数字に対する保護の内容についても詳しく分類されています。
それが以下の表になります。
保護等級 | IPコード例 | 保護のレベル・定義 |
---|---|---|
0 | IP0X | 無保護。 |
1 | IP1X | 直径50mm以上の大きさの固形物が侵入しない。こぶし(直径50mm)が危険な箇所へ接近しないよう保護。 |
2 | IP2X | 直径12.5mm以上の固形物に対して保護。指(直径12mm)での危険な箇所への接近に対して保護。 |
3 | IP3X | 直径2.5mm以上の固形物に対して保護。工具(直径2.5mm)での危険な箇所への接近に対して保護。 |
4 | IP4X | 直径1mm以上の固形物に対して保護。針金(直径1mm)での危険な箇所への接近に対して保護。 |
5 | IP5X | 防塵形。塵埃の侵入を完全には防止できないが、電気機器の動作を阻害する塵埃の侵入があってはならない。針金(直径1mm)での危険な箇所への接近に対して保護。 |
6 | IP6X | 耐塵形。塵埃の侵入があってはならない。針金(直径1mm)での危険な箇所への接近に対して保護。 |
保護等級が上がっていくごとに侵入する固形物のサイズが小さくなっていくので等級が上がれば上がるほど小さな埃や塵に強いと思ってもらえるとわかりやすいかもしれません。
「IP6Xになると粉塵レベルの微粒な物体すら入らない」という性能になります。
外で利用する電子機器がもしもIP5X以下の表記の場合、小さい固形物であれば侵入する可能性があるので、あまりおすすめできない機器と言ってもいいと思います。
スマートフォンや、イヤホンなど防塵性能がある場合にはIP5X以上の表記であることが多いです。
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防水性能は0~8の9等級まで
防水性能は、機器がどれだけ水に強いかを示すものになります。それは「IPX0」から「IPX8」までの数字で表されています。数字が大きくなると、その物はよりたくさんの水や深いところでの水に強くなるってことになります。
それが以下の表になります。
保護等級 | IPコード例 | 保護のレベル・定義 |
---|---|---|
0 | IPX0 | 無保護。 |
1 | IPX1 | 垂直に落下する水滴から保護。 |
2 | IPX2 | 15度以内で傾斜しても垂直に落下する水滴から保護。 |
3 | IPX3 | 散水に対して保護。 |
4 | IPX4 | 水の飛まつに対して保護。 |
5 | IPX5 | 噴流に対して保護。 |
6 | IPX6 | 暴噴流に対して保護。 |
7 | IPX7 | 水に浸しても影響がないように保護。 |
8 | IPX8 | 潜水状態の使用に対して保護。 |
防水性能の保護レベルテストで用いられる水は常温の水道水を用い、テスト後に機器として正常動作することが前提になっています。
実際にテストしている動画を見るとその様子がわかると思います。
でも、「IPX8」っていう最も強い等級は、どうやって試験するかっていう決まりがないんです。だから、それぞれのメーカーが自分たちで試験の方法を決めているんですが、基本的には水面下で使用した場合に問題なく使える機器になります。
ここで注意が必要なのは「IPX7」より小さい数字のものは、強い圧力がかかる水の中に置くと壊れるかもしれないから注意が必要です。
また製品によって浸水を防ぐ「防水」ではなく、水に耐えられる「耐水」と記載される場合もあるので、ここを読み違えないように注意しましょう。
生活防水と完全防水の意味の違いは?
製品によっては上記のIPコードとともに「生活防水」や「完全防水」と記載されている製品もよく見かけます。
生活防水っていうのは、日常生活でのちょっとした水のはねや汗などには耐えられるけど、長時間の水の中や強い水の勢いには耐えられない、という意味です。
例えば、生活防水の時計なら、手を洗うときやちょっとした雨に濡れるくらいなら大丈夫だけど、プールやお風呂にそのまま入ったり、シャワーを浴びたりするのはNG。そのまま使い続けると、中に水が入って壊れてしまう可能性があります。
生活防水を完全防水と勘違いしている方がいるのも事実です。
完全防水というのは、名前の通り「完全に水を防ぐ」性能を持っているものを指します。これは、水の浸入を一切許さないもので、水中でも安心して使用できるという意味です。
例えば、完全防水のカメラなら、水中での撮影ができるし、完全防水のスマートフォンや時計なら、プールやお風呂で使っても壊れる心配なし。(プールの水中・お風呂の浴槽内は別)
ただ、完全防水と記載されていたとしても大事なのは「どれくらいの深さ」や「どれくらいの時間」水中で使えるかということをチェックしておく必要があります。
なぜなら、ある深さ以上になると水圧が高くなるため、それに耐えられるように設計されていないものは壊れてしまう可能性があるから。
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実はこのIPコードにプラスで、米軍MIL規格と呼ばれる「ミルスペック」というものが付いてくると「世界最高峰の厳しい基準」をクリアしている製品と言っていいでしょう。
日常で利用するというよりは、軍がいかなる過酷な環境でも利用できるよう想定している規格なのでとにかく基準があたおかレベルで厳しいのです。
IP規格のさらに上いく米軍MIL規格
米軍MIL規格は、アメリカ合衆国国防総省で制定するMIL仕様書、MILハンドブック、MIL標準のほか、連邦規格も含まれることが多い規格ですべて厳格な仕様書で定められています。
その対象は、複雑な武器システムから電子通信機器、腕時計、コーヒーメーカーや被服など、あらゆる物品に及んでいます。
米軍MIL規格とは?
ミルスペックは、正式には「United States Military Standard」と呼ばれており、砂漠地帯や熱帯雨林、北極、南極のような極地において100%の力を発揮するよう求められるもので、わたしたちが日常生活で手にする物とは運用基準が別次元の厳しい規格です。
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防水性能IPX8表記でも注意すべき点
前述した通りですが、防水性能の保護レベルテストで用いられる水は常温の水道水を用い、テスト後に機器として正常動作することが前提になっています。
なので潜水状態の使用に対して保護(IPX8)でも次の利用シーンでは注意が必要です。
利用シーン | 注意点 |
---|---|
お風呂・温泉 | 常温の水道水ではないため |
プール | 水道水ではないため(塩素が含まれる) |
海水 | 水道水ではないため(塩分濃度) |
シャワー | IPXレベルのテスト条件外 |
サーフィンでの使用 | IPXレベルのテスト条件外 |
ジェットスキーでの使用 | IPXレベルのテスト条件外 |
サウナ・岩盤浴 | IPXレベルのテスト条件外 |
メーカーからプールで利用しても問題がないという機器であれば問題ありませんが、それ以外だと故障の原因となる可能性があります。
防水・防塵性能「IP」の解説まとめ
普段利用する機器の防水・防塵性能がこの記事を読んでなんとなくでもわかればいいなと思います。
基本的にはIP67/IP68と書かれたものを選んでいれば、日常使う範囲では壊れる心配はないですよ!
NORI
以上、NORI(@norilog4)でした。